サンフロント21懇話会 運営委員長 井口賢明
近年、廃棄物ゼロを意味するゼロエミッションという言葉を耳にする。今回視察したデンマークの「インダストリアル・シンビオシス(産業共生)」は、業種の異なる企業が互いの副産物や廃棄物を相互に再利用している希有(けう)な例だ。事前の資料から受ける印象は、工業団地のような限られた区域にさまざまな企業が集積し相互に連携する、といったものだったが、実際はもっと広域で、人口2万人のカルンボーという町に実にうまく溶け込んでいる。
この産業共生が成功した背景には、行政主導の大規模開発ではなく、個々の企業の必要性から連携が生まれたこと、ベースには企業の利潤追求があったことが挙げられる。新たな工業団地のあり方として、大いに参考になった。
また、技能五輪ヘルシンキ大会では、ボランティアをはじめ運営陣がよく組織化されていた。国際大会だけに、2年後の沼津大会では市民挙げての取り組みが必要だ。技能五輪終了後の門池地区の有効利用についても、沼津市から懇話会に意見を求められている。今回の視察を参考に、今の東部の状況を鑑みながらどのような提言ができるのか、ファルマバレー構想の一環として検討課題としたい。
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