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東駿河湾環状道路がもたらす効果 |
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東駿河湾環状道路は高規格幹線道路「伊豆縦貫道」の一部をいう。昨年7月27日に沼津岡宮インター―三島塚原インター間約10キロメートルが開通した。混雑する沼津や三島の市街を通らずに国道1号とその先の136号につながるため、伊豆方面のアクセスが向上した。渋滞緩和に加え、国道1号と交差する三島市塚原に大規模観光施設の出店が予定されるなど、徐々に効果が出始めている。
今年9月に国土交通省沼津河川国道事務所は、開通後1年の状況を発表した。それによると、沼津・三島市街地エリア(※1)内の混雑が緩和。渋滞による損失時間が減ったことで、金額にして年間およそ15億円の効果(※2)があったと試算されている。
開通前は東名沼津インターから136号まで31分かかっていたが、開通後は、東駿河湾環状道路を通るルートで約20分、国道1号を通るルートで約15分と、10分以上短縮された。
主要幹線道路の交通量も、国道1号と136号が交差する南二日町付近で増加したものの、ほかはおおむね減っている。
今後の整備計画では2013年度までに残りの区間(三島塚原インター―函南塚本インター)が開通し、東名沼津インターと伊豆中央道が14分ほどで結ばれる。
これにより国土交通省の試算では、沼津・三島市街地エリアで渋滞ポイントが12ヵ所緩和され、渋滞損失時間も6割減るという。同じく、交通事故件数も年間789件から2割減るなど、さまざまな効果が見込まれている。
同事務所の粂野真一郎調査第二課長は「三島塚原インター開通の効果が実感できたことで、地元からは早く全線開通してほしいという声が前にも増して大きくなった。社会状況は不透明だが、地域の要望に沿えるよう、計画通りに進めていきたい」と語る。
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※1 東駿河湾環状道路、国道1号、沼津インター線に囲まれたエリアをいう
※2 自動車の走行時間が短縮されたことによるその時間の価値を貨幣評価して算出した額 |
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■沼津・三島市街を通る国道の渋滞損失時間は県平均の約5倍。それだけ渋滞も事故も多い。東駿河湾環状道路はこうした状況の解消につながる |
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■橋脚が並ぶ函南塚本インター付近(写真左)。町は県沼津土木事務所と共催で、住民や小中学生向けのイベントを開催している。写真は大きな杭に将来の夢を書く町内の小学生 |
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