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●パネリスト
内村 博隆
沼津市都市計画部長
1978年沼津市役所入庁。97年から担当係長としてキラメッセぬまづの建設・運営に携わる。2009年より現職 |
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中山 中西部のような大きな展示場でなく、地域に見合った4000平方メートルの規模にしたのもよかったと思います。また、ハードだけでなくソフトにも力を入れました。キラメッセの基本コンセプトは「日本一親切で使いやすい施設」。それをかたくなに守ってきたことが継続して支持された要因だと思います。
私たちは週1回、展示イベント施設活用研究会を開き、運営する側、利用する側双方がより良い施設を目指して議論しました。収益についても、駐車場台数や自販機の数まで徹底して検討しました。
おかげで初年度の平成10年と技能五輪国際大会開催前の化粧直しがあった16〜17年以外は黒字です。トータルで1億8千万円のプラスとなりました。
東條 73%の高稼働率というのは日本でもトップクラスですね。繰り返し使ってくださるお客様は施設にとって宝物。これからできるコンベンションセンターにとっても大きな財産でしょう。
先ほどの陶器市のように、ここで展示会をやる意義はまだまだ掘り起こせると思います。視点を広げることで、この土地ならではの展示会が期待できると思います。
青山 3年後には、市の展示場に加え、県の国際会議場と民間のホテルがそろった3点セットとなるわけですが、それだけ大きな施設を運営するには地域産業との連携が欠かせませんね。
中山 今後の課題は3つあると思います。
1つ目は、リピート率が高いため新規顧客の開拓をあまりしなかったので、営業のノウハウが陳腐化していないだろうか、という点です。
2つ目は、経済波及効果が利用稼働率に相応する形では出ていません。たとえば広告代理店、土産物店、花屋、司会業など直接コンベンションにかかわる業種はもちろん、ホテル・旅館、飲食、運輸、旅行代理店、周辺観光施設、銀行など間接的な業種との連携が薄かったと思います。
経済波及効果は直接効果の約2倍ともいわれますので、利用者協議会などを組織化すればもっと地域に貢献できたと思います。
3つ目は、東部の独自性のあるイベントをあまり打てなかった点。ファルマバレープロジェクトに関連した展示がもっとあっていいですし、ものづくり産業も多いので、そうしたイベントの発掘も持ち越されていることが課題です。 |