昨年度、県東部地域支援局は東部・伊豆20市町を対象にスポーツイベントや合宿の受け入れに関する実態調査に乗り出した。東部で盛んな「サッカー」「バレーボール」「ソフトボール・野球」「マラソン・駅伝」「自転車」の5種目について、市町のスポーツ担当部署、体育協会、観光協会や旅館組合、民間企業・団体などに受け入れに関するアンケートを行った。
調査を企画した同支援局の太田直樹主幹は「観光入込客数が落ち込んでいる中で、新たに交流人口を生み出す方法を模索している。スポーツ合宿の受け入れが意外に多いという話を各方面から聞くが、どこも具体的に把握していなかった。現状を調査し、上手にPRすることで誘客につながれば」と狙いを語る。
調査の結果、東部では「マラソン・駅伝」の大会が活発に行われていることが分かった。これは市町や体協の主催が多く、地域内のさまざまな団体が情報を共有しやすいことが理由。また、「ソフトボール」は数こそ少ないが、実業団リーグの試合あるいは全国大会が多く、レベルの高いスポーツイベントが展開されているのが特徴だ。
経済効果を見ると、2008〜10年に東部地域で実施され、今回の調査で把握できた大型イベントによる消費額は36億1200万円。また、合宿での推計はもっとも規模の小さいケースで年間3億3800万円、もっとも大規模なケースで20億4600万円と試算された(注)。
●事例紹介
第35回全日本少年サッカー大会
8月1〜6日にかけ、御殿場高原時之栖裾野グラウンド(裾野市)と愛鷹広域公園多目的競技場(沼津市)で開催された。全国から48チームが参加し、選手、関係者、応援の家族なども含めると約3000人が訪れた。支援局の試算ではこのイベントの経済効果は約2億4000万円に上る。 |
合宿の開催を把握しているのは回答した団体の約3割にとどまった。中でも宿泊施設との関係がより深い商工会議所・商工会や観光協会・旅館組合などで「なし」の比率が高く、地域や業界団体は実態を把握できていない状況が浮き彫りになった。
注:もっとも規模の小さいケース【把握された合宿件数のみ、宿泊単価8000円、平均1泊】もっとも大規模なケース【合宿人数を東部全体で推計、宿泊単価12000〜15000円、平均2泊】 |