大石 富士地区がこの恵まれたインフラをどのように活用していくのか伺います。
小長井 この地域の活性化は、富士市の魅力をいかに発信し、民間の活力、民間資本を富士地域へ投下させるかにかかってくると思います。新東名の新富士インター周辺の物流拠点化を進めていますが、周辺はもちろん、田子の浦港も地域活性化に結びつける上で大きな鍵です。津波を防ぐ、にぎわいを創出していく、この二つをテーマに新年度、田子の浦港振興ビジョン推進協議会を官民協働で立ち上げます。
小松 旅行会社レイラインは地元・富士で開業し、まもなく20年になります。
事業の柱は二つ。一つはミャンマーとのご縁ができまして、現地に会社を設立しました。東南アジアに出られる会社のサポート事業を行っています。もう一つが着地型観光です。ハワイやグアムでよく見るオプショナルツアーのイメージです。残念ながら富士市では扱っておりませんが、静岡市や県の委託事業で、県中部の着地型のプラットフォームづくりをしております。着地型観光は、北海道から九州・沖縄まで、全国一斉に行われていて、“どこに行ってもそば打ち体験”といった状況です。それでもだんだん淘汰されつつあり、勝ち組・負け組が出始めた感じです。
大石 首都圏周辺、また県内でも道路整備がかなり進んでいますね。
大島 物流拠点は圏央道を中心に脚光を浴びています。圏央道がつながり、常磐道、東北道、中央道、東名などが環状道路に結ばれると、物流がよりスムーズになる、途中の事故などのリスクが減る、ダブルネットワーク・トリプルネットワークで複線化されるということで、定時性は上がってくるでしょう。
道路ネットワークがよくなることで、今までと同じ時間で届けられる範囲が広がっています。そのため、ナショナルブランドのメーカーさん、あるいはナショナルブランド全体で流通を持っている事業者さんの物流拠点の集約化が進んでいます。この地域は東に寄りすぎている面が無きにしもあらずですが、集約化の一つのポジションということも考えられると思います。 |