大石 富士の工場夜景について説明をお願いします。
鷲見 子どもの頃から工場の夜景や配管を眺めるのが好きでした。工場夜景の写真をSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)で発信し始めたところ、反応が良く、観光資源として富士市に人を呼べるのではないかと思いました。
富士山の世界文化遺産登録は大きなチャンスです。構成資産でこそありませんが、富士山の湧水に恵まれて産業が栄えた歴史があります。工場と富士山が共存する風景は富士市の特徴の一つですね。
工場夜景は商工会議所青年部のバックアップを得て、昨年3月にモニターツアー、6月には岳南電車で夜景ビールトレインを行いました。メディアにも取り上げられ、富士市が工場夜景の観賞を推進しているというイメージが少しずつ根付き始めました。冬場なら4時ころから煙突をライトアップすれば、新幹線からも見えるのではないでしょうか。
外から人を呼ぶことももちろんですが、産業やそこで働く方々に光を当てることで、地域に自信と誇りをもつことが大事だと思っています。
小長井 昨年、商工会議所青年部の公開レクチャーがあり、観光振興が大きなテーマでした。新しいものを持ってくるのではなく、すでにあるものに光をあて、磨き上げ発信をする、しかしその中に工場夜景が含まれるとは昨年は全く思っていませんでした。
富士市がこれまで唯一、観光に取り入れてきたのはスポーツです。かつてのビジネス需要が減り、それに代えてスポーツ大会の誘致に力を入れています。サッカーやフライングディスクの大会です。スポーツ観光は先駆的取り組みをしてきたと思いますが、「工場夜景が観光に結びつく」というのは半信半疑でした。しかし、公開例会でそのお話を聞き、全国でも盛り上がっている事例を知りました。
市制施行50周年というイベントとして発信するには大きなテーマだと思いますし、何より、行政からでなく民間から出てきた動きというところがいいと思います。 |