|
ブリヂストンサイクル
渋谷淳一チーム戦略室長 |
育成も地域貢献もかなうCSCは「理想の環境」
当チームは2018年、三島市に拠点を移し、チーム選手の大半が日本代表のトラック強化指定選手として、現在はCSCでナショナルチームとチームブリヂストン活動の両立でトレーニングをしている。
中距離選手の強化に当たっては、トラックはもちろん、ロードも並行して練習することが必要で、その意味でも静岡県東部エリアに立地するCSCの設備や取り巻く環境は理想的だ。
選手の本分は競技と練習だが、地域の協力がなければチームの活動は成り立たない。チームは現状を十分に理解しており、地域貢献の在り方を現在も模索している。一例として、地元の学校訪問などを行っている。また、選手、スタッフが講師となり、「チームのお仕事体験」と称して地域の子どもたちにチームの活動を見てもらったり、室内での自転車トレーニング、整備や補給食作りなどの体験をしてもらったりしている。全国の高校生トップ選手の合宿に出向き指導に当たるなど、後進の育成にも力を入れている。
年間活動の大半をレース、合宿に出ており、その合間で練習をしている。そのため日程調整は必要だが、地元を自転車で一緒に盛り上げたい気持ちは大きい。こうした触れ合いや練習体験の中から、将来パリやロスを目指す子どもたちが出てきてくれるとうれしい。
MTBコースの恒常的な活用で自転車文化の創造を
|
ヤマモトアスリートファーム
山本幸平代表(MTB日本代表選手) |
北京から東京まで4度出場し、各地のコースを走ってきた。CSCのMTBコースは、テクニカルなセクションが8カ所もあり集中力を切らせない。難易度は高いが、トップ選手にとっては非常にエキサイティングなコースだ。コース随所に名付けられた「天城越え」や「桜吹雪」など、日本らしさも感じられる。また、1カ所から複数の見どころが楽しめ、観客にとっても良いコースだ。
MTBコースは常に走っていないと傷んでしまう。現在はクローズしていると聞くが、ぜひ一日も早い再開を願いたい。しっかりとコースをオープンさせ、世界最高峰の練習や大会ができてこそのレガシーだと思う。当然維持管理費はかかるが、MTBのクラブチームやスクールは全国各地にある。そうしたところにどんどん貸し出し、常に稼働できるようにすべきだ。
もともと修善寺は、競輪選手の育成を長年行っている。ロードも盛んだ。MTBが加わり、多様な自転車の活動が楽しめる。ぜひ地元にはクラブチームをつくり、一流選手と触れ合ったり一緒に走ったりしながら、自転車文化を創ってもらいたい。そうすることで引退後の選手の活躍の場もつくれ、子どもたちや親御さんの選択肢の一つに「自転車」が入ってくるだろう。
●2022サイクリング レガシーイベントin OYAMA
7月30日、富士スピードウェイ西ゲート前で「2022サイクリングレガシーイベント in OYAMA」が開催された。同日には「東京2020オリンピック・パラリンピック1周年記念自転車ロードレースレガシーサイクリング」も同時開催され、著名人らが武蔵の森公園(東京)から富士スピードウェイへのゴールを目指した。 |