中山 まずは、ご自身の活動を通した中での伊豆の現状と課題についてお話しください。
徳田 私が代表を務めるゆこゆこホールディングスは、宿泊予約事業を主に行っています。ターゲットは平日のアクティブシニアで、サイト予約の利便性と電話で予約できる安心感を兼ね備えたサービスを展開しています。
弊社が行った伊豆に関するアンケートでは、アクセスの良さや温泉、自然の豊かさが魅力として挙がった一方、お土産に関してオリジナリティーや品数が少ないという意見がありました。これはすぐに工夫できると思います。
矢嶋 大学の教員になる前は、日本旅行に31年勤めていました。ですから研究もアカデミックなものでなく、地域に一人でも多くのお客さまが増えるような取り組みをしています。昨年度は韮山反射炉を中心にE-BIKE(電動アシスト付き自転車)を使って周遊する動画を作りました。
伊豆は東京から踊り子号が走るなどアクセスが良く、発展の可能性は大きいと感じています。ゼミ生が一人でも多く地域を愛し、誘客の立場になることを望んでいます。
稲村 伊豆地域は昔、全国有数の団体客を受け入れる観光地でした。しかしコロナ禍もあり、個人旅行にシフトしたため、団体向けの施設は難しい対応を余儀なくされています。
現在の伊豆長岡温泉は、離れのある旅館やペットの受け入れが可能な旅館など、多様性のある温泉に変化しています。ターゲットを決め、その特徴をつかんだサービスを展開する施設や旅館が成功していますね。
また、今年は大河ドラマのロケ地に選ばれました。実は伊豆の国市は沼津や三島で勤務する人のベッドタウンになっていて、観光産業自体の比率は高くありません。観光地は地域の人が外部の方を受け入れる姿勢が大切ですが、そうした機運の醸成に大河ドラマはプラスに働いたと思います。 |