中山 まずはご自身の活動についてお話ください。
津留ア 私は2017年に生まれ育った東京から下田に移住してきました。東京での「消費する暮らし」から、地方でしかできない「つくる暮らし」に移行したかったからです。きっかけは東日本大震災。東京でも停電が起こり、スーパーから食材が消えて何も買えず何もできない経験をしました。そしていかに社会の仕組みに依存して消費するだけの生活をしていたかを実感し、「つくる暮らし」にシフトするため地方への移住を決めました。 下田は移住地としての大きなポテンシャルを感じます。豊かな自然に加え、徒歩圏内にスーパーや病院があり生活に困りません。私たちは空き家だった古民家を借りて家族でリノベーションし、自然の資源を取り入れた暮らしを送っています。
竹内 私は竹屋旅館の四代目として、清水、三島、戸田でホテルを営業しながらヘルスケアと観光の取り組みを進めています。
さまざまな取り組みを行うに当たっての一番の問題は「人」です。人手不足を解消するため複業人材システムを活用し、知人に週に一度、旅館業を手伝ってもらっています。また複業制度を地域に広げていくため、人材と企業を結ぶコンソーシアムを立ち上げました。
アフターコロナのキーワードは「ウェルネス」と「ヘルス」です。お客様だけでなく働く人や関わるすべての人が幸せになるため、同業者同士で協働し、伊豆で健康増進を実現していければと思います。
山下 伊豆の国市は地域活性化に向けてバスターミナルの観光拠点の改修や、温泉街のビルの解体・改造を行っています。ビル解体後の跡地にはボックス型の宿泊施設が新しく誕生し、食事は外で取っていただくようにしたことで、街中の観光を促すようにしています。もう一つ”かわまちづくり”として、10月1日、狩野川右岸にデイキャンプやバーベキューが楽しめる都市公園が開業します。
さらに食を活かした地域活性化にも取り組んでいます。県内随一の生産量を誇るミニトマトの生産者のうち57人がニューファーマー(新たに農業に参入した人材)で、市内で研修した後定住しています。また全国の信用金庫のネットワークを活用し、規格外品ミニトマトを使ったクラフトビールの商品化に取り組んでいます。
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