永い間皆様にご愛顧いただいた「安田家」という名を、この度「楽山やすだ」と改めました。この時期、屋号を変えることは大変危ないような心配もありましたが、全館の装いとコンセプトをリニューアルしたための仕上げでもあります。
10年間、主人亡き後夢中で方針を守り経営を引き継いで参りましたが、お客様の要望が大きく変わってきました。旅館はもっと合理的に経営されるべきで、何かを変えなければ…という思いが「花利久」という豆腐料理店の出店となりました。宿泊と料理提供を分けて考え、しかも和風のおもてなしを残す事が目標でした。
旅行のあり方も職場旅行が小型になり、個人やファミリー客が復活しています。団体向きに造られた客室や食事の内容が、豪華なものからその土地の特色ある個性的な物が好まれるようになりました。そんな折、オーストラリアでホテル経営を学んで帰った次男が、我が家の奥深い客室から見る源氏山の緑の森に大変感動致しました。
これを活かしてみようと古い客室12室をリニューアルし、風と光あふれる露天風呂をつけ「楽山風呂」と名づけました。畳敷きに桧の浴槽。ジャグジー付き、猫足バスタブなど各々個性の違うお部屋になりました。さらに館内は畳敷きにし、素足で歩く感触を楽しんでいただけます。
食事も伊豆の幸を炭火で焼きながらゆっくりと賞味していただく個室料亭を用意致しました。
アメニティーも充実させ、新しい感覚の旅館を午前11時のチェックアウトまでゆっくりお過ごしいただきたいと思っております。
観光は一番平和的な消費ではないでしょうか。在庫も残らないので、またすぐにでも使いたくなり体にも心にも健康的です。
静岡県は日本で2番目の観光県であり、伊豆はその大部分を担ってきました。私達の手の中にある宝物をもっと磨いて、多くの方に活力を取り戻す役割りを自覚し続けたいと思います。
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