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静岡県が進めるファルマバレー(富士山麓先端健康産業集積)プロジェクトは、18年度で5年目を迎え、中心となる静岡がんセンター、創薬探索、治験ネットワーク、医看工連携拠点のがんセンター研究所が順調に稼働している。懇話会は、健康関連事業の有効性を認識し、2次戦略の発表を受けて引き続きプロジェクトの推進を全面的に支援していく。研究開発、健康関連産業の創出とは別に、「かかりつけ湯」や科学的手法によるトレーニングシステム導入などのウエルネス分野、従来からの文化・芸術、景観と新たに創造する文化・芸術がもたらす“癒し”効果もプロジェクト推進に必要であるとの視点から研究し、特に、景観の癒しの中で真っ先に挙げられる富士山について、世界文化遺産登録運動ともリンクしながら議論を進める。また、農と食、環境、観光を組み合わせた伊豆の国市の健康増進事業、富士宮地域のフードバレー事業についても、“食と健康”“食と環境”の観点から推進に協力していく。
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技能五輪国際大会の推進支援と大会後の跡地利用について |
平成19年11月、沼津市門池地区で開催される技能五輪国際大会(国際アビリンピック・国際障害者技能競技大会と同時実施)を終了まで支援していく。競技会場の跡地利用について、懇話会は、デンマークとスウェーデンのサイエンスパーク視察後にまとめ、県、沼津市に提言した「ぬまづウエルネス・リサーチパーク構想」の議論を深め、さらにファルマバレープロジェクトとも連動する跡地の有効利用を検討していく。また、ファルマバレープロジェクトに関連する地域として跡地の門池地区から静岡がんセンター周辺までの基盤整備についても可能かどうか研究を重ねていく。
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東部地域では、2004年4月の「伊豆市」に続き、2005年4月に「伊豆の国市」、新「西伊豆町」、新「沼津市」が誕生した。東部地域は、市町の思惑の違いから合併の足並みがなかなかそろわないと指摘されてきたが、富士市と富士川町が法定合併協を設置し、平成20年11月の合併に向けスタートを切った。行方が注目された芝川町は、富士宮市議会が合併協設置案を否決したものの、富士宮市との合併を依然模索している。県が支援金交付制度を創設したことを受け、最も合併が必要でありながら遅れている伊豆南部の下田・賀茂地区の合併についても地元で議論されるなど、合併第2弾に向けた動きが加速しつつある。懇話会としては、こうした情勢を踏まえ、なぜ合併が必要なのかという原点に帰り、足腰の弱い地域づくりについて議論を深めていく。
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政府は昨年、57カ月続いた戦後最長の「いざなぎ景気」を超え、緩やかに景気拡大局面が続いていると、発表した。しかし、消費拡大の実感は薄く、観光産業が多い「伊豆」のにぎわいが本格化するのは、まだまだ先のこと。国内外の有力観光地、テーマパークなどとの地域間、施設間の競争が激化する中で、富士山静岡空港の開港をにらみ、世界文化遺産登録の暫定リストに入った富士山と伊豆の温泉、景観を組み合わせた周遊観光に光を当てた観光戦略を打ち出していかなければならない。伊豆ナンバー創設でみせた「伊豆は一つ」の結束力を、富士山を取り入れた観光にどのように生かしていくか、また来秋に実現する「富士山ナンバー」をきっかけに新たな町づくりができないか、議論を詰めていく必要がある。懇話会は、前年度に引き続き、有料道路の活用、空港開港をにらんだコミューター空港の実現性について議論し、東部全体ににぎわいを取り戻す方策を考えていきたい。 |
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